【帽子の知識】素材紹介 - 麻

こんにちは。

帽子にも様々な素材が使われていますが、その特徴についてご紹介します。
生地そのものの説明はよくありますが、帽子としての内容はあまりないと感じていたので、自分の学習も兼ねて記事に起こしていきます。

前回は綿をご紹介しましたが、本日は麻の紹介です。
身近な素材ですが、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
薄手、軽い、天然素材…という印象しかない方も多いのではないでしょうか。
麻は意外とよく知らない素材でもあるので、詳しく見ていきたいと思います。
 

麻とは?

亜麻の花

アサには麻(あさ・ヘンプ)、亜麻(あま・リネン)、苧麻(ちょま・ラミー)、黄麻(こうま・ジュート)と色々と種類があります。
この内、生地に「麻」と表記して良いのは亜麻と苧麻のみと日本工業規格(JIS)で定められています。
つまり、我々が一般的に使っている麻製品はほとんどがリネンかラミーであり、ヘンプやジュートは麻とは表記されません。
なんと、麻は麻に含まれないのです!(もちろん広義では麻ですが)

帽子に使われるのも、例によって大抵がリネンかラミーですが、ヘンプやジュートも使われています。
それぞれ特徴がありますが、生地感や風合いは似ているところも多いです。
最近では、ポリエステルで麻を模したフェイクリネンやフェイクジュートといった生地も出てきていますね。

 

麻の特徴

麻

様々な種類のある麻ですが、共通の特徴として「吸水・発散性が高い」ことが挙げられます。
他の天然繊維、例えば綿などと比べても水をよく吸い、さらに発散性が高いためすぐ乾きます。
その乾きやすさから通気性もよく、夏物とは抜群の相性を誇っています。
この特徴から、柔らかいものは肌着や衣類によく使われ、硬いものは袋やロープなどに使われています。

次に、「丈夫である」ことも大きな特徴です。
伸縮性は劣りますが、天然素材では単純な強度は非常に高いです。
ただし、繊維そのものがやや硬い為、綿と比較するとしゃりしゃり・かさかさした手触りが多く、ものによってはちくちくするものもあります。

さて、ここからは種類別の特徴をご紹介します。

・亜麻(リネン)
 繊維が細く柔らかい為、しなやかで肌触りの良い素材です。
 ひんやりとした涼感があり、リネン特有の亜麻色に光沢もあります。
 "月光で織られた生地"という素敵な別名があるほどです。

・苧麻(ラミー)
 強度や涼感が最も強く、汚れが落ちやすい特徴を持っています。
 色は白く、光沢もあって美しい素材です。
 繊維が硬いのでちくちく感がある場合もあり、帽子では表地素材として使われることが多いです。

・麻(ヘンプ)
 亜麻や苧麻よりも涼感が強く、吸水性や耐久性も非常に強いです。 
 こちらもざらざらしていますが、それが良い風合いを生み出しています。
 また、UVカット効果が高いことも帽子とは相性の良い素材です。

・黄麻(ジュート)
 伸縮性が小さく形が安定している為、帽子にも比較的よく使われる素材です。
 粗く、麻の生地感が最も強く出ていて存在感のある素材です。
 生産過程で有害物質を発しない為、環境に優しい素材としても近年需要が高まっています。

 

麻の注意点

麻生地

しわになりやすい」ことは注意しなければいけません。
強度が高いので引っ張っても破れることはあまりないのですが、伸縮性が低い為、一度よれてしわになってしまうとなかなか元に戻りません。
帽子の場合型崩れに繋がりますので、粗雑に扱ってくちゃくちゃで保管するようなことがないようにしましょう。

また、「色落ちしやすい」ことにも気を付けてください。
摩擦などで色落ちすることがあるので、強く擦ったり揉んだりすることは避けてください。
帽子は他のものと一緒に洗濯することはありませんので(しないでくださいね!)色移りはあまり心配ありませんが、気には留めておいた方が良いでしょう。

 

以上、麻についてご紹介いたしました。
当店でも麻製品を取り扱っていますので、興味があればご検討ください!

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