【帽子の知識】素材紹介 - ペーパー

こんにちは。

帽子にも様々な素材が使われていますが、その特徴についてご紹介します。
生地そのものの説明はよくありますが、帽子としての内容はあまりないと感じていたので、自分の学習も兼ねて記事に起こしていきます。

前回の麻に続き、7-8月に特に活躍するペーパーの紹介です。
その名の通り紙でできた素材ですが、帽子には非常によく使われている素材です。
紙製なんて耐久性が低い安物でしょ、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、本当でしょうか?
詳しく見ていきたいと思います。

 

ペーパーとは?

ペーパー素材とは?

ペーパーは、当然紙から出来ている素材です。
ペーパー素材の帽子は、品質表示には「指定外繊維」と書かれています。
逆に言うと「指定外繊維」と書かれていたら、それは「ペーパー」です。
国で定められているものなので、「紙」「ペーパー」とは書かれていないので注意してください。

紙と聞くと大丈夫かな?と思われるかもしれませんが、紙も元は植物ですから、綿や麻とそう変わりません(それは言い過ぎか。笑)
とは言え、日本では古くから紙を様々なところに使用しており、和傘なども紙でできていることを考えると、意外と丈夫なイメージもわくのではないでしょうか。
諸紙布という、紙でできた布で織られた着物だってありますよ!

帽子に使われるペーパーは、和傘のように張っているのではなく、撚り合わせて糸にし、それを編んで形にしています。
ティッシュなどを撚ると強度が上がりますが、それと同じ原理で、帽子に使われるペーパーも丈夫になっています。
また、原料も本やノート、ティッシュに使われているパルプではなく、和紙に近いものが使われています。
和紙は麻や楮、三椏などからできており、パルプよりも繊維が長い為、丈夫なのです。
更にその紙を加工することで、十分な強度を確保しています。

 

ペーパーの特徴

ペーパーの特徴

ペーパーハットの見た目は、かなり麦わら帽子に近いです。
というより、麦わら帽子として販売されていても、実はペーパーというのも最近では珍しくありません。
最早ペーパーハットと麦わら帽子はほとんど同じ意味になっているのです。

ペーパー素材の大きな特徴は3つあり、「軽い」「色が綺麗」「安い」です。

まず、麦わらやラフィアで作られた帽子と比べるととても「軽い」です。
先程も再三書きましたが、軽いからといって強度が低いわけではありません。
帽子として十分な強度を持っていますし、固める加工をしていないペーパーハットは手触りも柔らかいです。

2つ目の「色が綺麗」という特徴ですが、紙は染色が容易でとても綺麗に染まります。
その為、むらになってしまうことも少なく、他の素材ではなかなかできない派手な色や、鮮やかな色を作ることもできます。
いわゆる麦わら帽子では、黄色や茶色系の色ばかりになりがちですが、ペーパーハットなら赤や青といったバリエーションがある場合もあります。
こうした色の豊富さは大きな魅力ですね。

最後に絶対に外してはいけないのは、なんといっても「安い」!
天然繊維の帽子はやはり高価なものが多いので、これは非常に助かります。
「軽い」「色が綺麗」の2つの特徴は他の天然繊維にはない強みですから、安い=安物ではなく、用途や好みに応じて選んでいただければと思います。
折角安価で色が豊富なので、様々な色の帽子を持つのにも向いています。

 

ペーパーの注意点

ペーパーの帽子の取り扱いにおける注意点

ペーパーの帽子の取り扱いにはいくつか注意点があります。

まず、紙なのでやはり「水に弱い」です。
水に濡れたからといって、すぐに破れたり溶けたりするようなことはありませんが、長く水にさらすと繊維が崩れてしまいますので特に注意してください。
もしも水に濡れた場合は、できるだけ早く拭き取り、風通しの良い場所で乾かしてあげてください。

乾かす時の注意点ですが、水に濡れると繊維が崩れたり強度が落ちている状態になりますので、「型崩れしやすい」です。
なので、元の形に戻してあげてから平干ししましょう。
もしすごく濡れてしまっていたり、頭の部分が思うように整わない場合は、中にタオルや紙を詰めて乾かしましょう。
熱に対しても強いわけではないので、ドライヤーなどで急速に乾かしたりすることはやめましょう。

最後に、水に弱いということは洗えないということなので、「汚れを落としづらい」ということも覚えておいてください。
型崩れも含めて修復が難しい素材で、安価なので1シーズンしか使わず買い換える!という方もいらっしゃいます。
しかし、丁寧に扱ってあげれば十分長持ちするものなので、気にかけて欲しいですね。

 

 

ペーパーの帽子

最後に、ペーパーの帽子って実際どういうものでしょうか。
当店で取り扱っているペーパーハットを並べてみますね。

 

 

こんな風に、ほとんど麦わら帽子のようなものが多いですね。

他にもキャスケットやハンチングもあり、様々な帽子で使われています。

 

 

以上、ペーパーについてご紹介いたしました。
最近は本当に紙の質が良くて、他と比べても全く遜色ない素材になっています。
興味があれば是非ご検討ください!

 

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